・カルメルの霊性・ 日々神と親しく生きるには *いつくしみの特別聖年* 2016年9月

2016年9月2日

神のいつくしみへの 雛菊

果てしない望みは     

わたしの宝です

~リジューの聖テレーズ~ 

 

 

使徒パウロがローマに移送される途中、船が難破しました(使徒言行録27~28章)。不運きわまりない出来事でした。そして、再び出航できるまで、3か月もマルタ島に滞在しなければなりませんでした。けれども、その間、パウロはキリストの教えを伝え歩きました。こうして、マルタ島にキリスト教は広まったのです。今までキリスト教国と認識されていた国々で「宣教」の必要性が嘆かれている現代、キリスト者が80%とも言われる小さな島のかつての出来事はまさに神のいつくしみのみ業でした。わたしたちが嘆く「不運な出来事」から、新しい「何か」が生まれ出ることがあるのです! 神のいつくしみの愛に希望し、神のみ手に委ねて生きるなら。神はすべての人の救いを待っておられるのですから。

「五大陸、もっとも遠い島々までも、そして幾年かの間だけでなく、この世の創造のはじめから世の終わりまで宣教師でいたい」と果てしない望みをいつくしみの愛に希望した“小さな花”テレーズ。彼女の命日(いのちの日!)は9月30日です。

わたしたちの日々の生活での「不運な出来事」も神のいつくしみの愛のうちに信頼、希望して人々におん父のいつくしみの愛の証し人となることができますように。

 

伊従 信子(いより のぶこ)

ノートルダム・ド・ヴィ

 

*『いのちの道』写真と文:伊従 信子、 サン・パウロ社