祈る時間がないと嘆く前に

2013年12月13日

わたしたち現代人はとても多忙です。とは言え、昔の人が暇だったとは思えないので、現代人の多忙さは、常に何かに追い立てられているという「余裕のなさ」なのかもしれません。いずれにしろ、祈りの時間をどうするか、どう考えるかは大きな課題です。

この問いに対して、幼きイエスのマリー・エウジェンヌ師は適切なアドバイスを与えてくれます。師によると、まず祈りに対する考え方を変えることです。つまり、祈りをわたしたちの生活の最優先事項のひとつにおくのです。

N.P. N.M. Venawque etc059もちろん、仕事があり、家事があり、育児があり、介護がある毎日は24時間を十分に埋め尽くしています。そこで関わる人々はわたしにとって極めて大切な人かもしれません。けれど、神との関わりである祈りはそれと同じくらい、いいえ実はそれ以上に大切なのです。なぜなら、神との関わりがあらゆる人間関係の基礎となるからです。祈りの時間を考える最初の一歩はこれです。祈りを人生の飾りとするのではなく、最も重要な価値のひとつとして位置づけることです。

祈りの「効果」?
さらに、マリー・エウジェンヌ師は興味深い指摘をしています。地道な毎日の祈りは気づかぬうちにある「効果」をもたらします。それは心のバランスがとれるということです。もちろん常にそれが「効果」として感じ取れるわけではありませんが、長い目でみたとき、祈りで失った(ように思える)時間は、結局は取り戻すことになります。祈りの時間に獲得した心のバランスが、その後の仕事や家事に速く、適切に対処することを可能にしてくれるからです。教会の歴史のなかでは時としてそのような例に出会います。教会の重責を担うことになった人々は、さらに多忙になったにもかかわらず、今までより以上に長い時間を祈りに費やしているのです。

 

実践的に…
では、祈りが人生にとって最も重要な価値のひとつであると心に刻んだ後、実際に根付かせるにはどのようにすればよいのでしょう。マリー・エウジュンヌ師は続けます。師は生活全体をまず見直してくださいと言います。24時間をどのように使っていますか、どこかに祈りをすべりこませる時間はありませんか、と。ダラダラと観てしまうテレビやビデオを適当に止めたり、他愛もないおしゃべりの時間を少し削れば、それなりに時間がでてこないでしょうか。マリー・エウジェンヌ師は、もし祈りがわたしたちの人生・生活に何か影響を及ぼしてくれるよう願うなら、毎日30分の祈りが必要だと言います。30分!! いったいその時間をどうして過ごすのでしょうか。次に考えます。

文:中山まり ndv